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築20年以上の家は要確認!モニエル瓦の塗装費用やメンテナンス方法をプロが解説
2023年8月9日更新 2023年8月9日公開
モニエル瓦とは、日本の家屋に使われている瓦の一種です。
さまざまなメリットを持つ瓦なので、かつては屋根瓦として、多くのハウスメーカーで使われていました。
家の瓦の種類まで気にしていない人も多いのではないでしょうか?
しかし、屋根のことに興味を持たずに放置した結果、100万円以上の費用が発生してしまうことも。
そのため、定期的に屋根や瓦の状態を確認することが重要です。
この記事ではモニエル瓦について、私たち塗装のプロが、塗装費用のことやメンテナンス方法をくわしく解説いたします。
また、なぜ築20年以上の家はしっかり確認する必要があるのか、その理由も一緒にお伝えします。
ぜひ、最後まで記事を読んで参考にしてください。
なぜ築20年位以上の家は確認が必要なのか?
モニエル瓦は、1970年代から1980年代にかけて、特に高い人気を誇っていました。
そのため、築20年から50年ほどの戸建てで、屋根に瓦を使っている家は、モニエル瓦を使っている可能性があるため、確認が必要です。
なぜなら、モニエル瓦は現在では新品が手に入らない、貴重な瓦だからです。
モニエル瓦は、日本モニエル株式会社が開発したセメント瓦で、正式には、乾式コンクリート瓦と呼ばれています。
実は、日本モニエル株式会社は2010年に解散しており、今後は新しくモニエル瓦が製造される予定はありません。(2023年7月時点)
つまり、何カ所か瓦が割れてしまったから交換しようと思っても、モニエル瓦は手に入りづらい、ということ。
そのため、自宅の屋根に、どんな瓦が使われているか、1度確認しておくことをおすすめします。
モニエル瓦の特徴とは
それでは、次にモニエル瓦の特徴をお伝えします。
モニエル瓦のメリット
モニエル瓦には、大きくわけて2つのメリットが挙げられます。
どちらも、日本の風土や気候に適したメリットです。
モニエル瓦は耐震性に優れる
日本の瓦は、主に粘土で作られるのに対して、モニエル瓦はセメントと砂で作られています。
そのため、日本の瓦に比べ軽量なので、地震の際に建物に与えるダメージが小さくなります。
一戸建ての屋根の重量は、家屋の耐震性を考える場合に、重要なポイントです。
モニエル瓦はデザイン性が高い
モニエル瓦の2つめの特徴は、高いデザイン性を誇ることです。
モニエル瓦には、日本の瓦には存在しない、着色スラリーと呼ばれる接着剤の層が存在しています。
着色スラリーが存在することで、発色の良い塗装が可能になります。
また、モニエル瓦の形自体が、4種類あるため、色と合わせてオリジナリティの高いデザインが楽しめます。
たとえば、S型は文字通りSの字のように波打った形をしており、洋風の建物に使われています。
一方で、平形は板状の形をしているため、和風や洋風を問わず、どのような建物にもマッチしたデザインです。
モニエル瓦のデメリット
モニエル瓦のデメリットは、メンテナンスの際の手間が挙げられます。
モニエル瓦のメンテナンスとは、主に経年劣化による再塗装です。
紫外線や雨によって劣化した塗装面を塗りなおすことで、屋根を再び美しい状態に戻せます。
しかし、モニエル瓦を塗装するためには、一度スラリー層までしっかりと洗浄する必要があります。
劣化したスラリー層の上から、いくら塗装を行っても高い効果は期待できません。
古くなったスラリー層を、しっかりと洗浄することで、新しい塗料がしっかりとモニエル瓦に付着します。
そのため、通常の塗装より、やや手間がかかるため、費用が高くなる点に注意してください。
モニエル瓦と通常の瓦の見分け方
モニエル瓦には通常の瓦とは異なる点があるため、比較的容易に見分けられます。
外見上の大きな違いは、瓦の断面です。
通常の瓦は平らでツルツルしているのに対し、モニエル瓦はコンクリートと川砂が混じっているため、ザラザラとした断面になっています。
また、モニエル瓦の裏面にはMのマークのロゴとモニエルという文字が刻印されています。
可能であれば、瓦をひっくり返してみることで、モニエル瓦かどうか見分けられます。
モニエル瓦の劣化症状
モニエル瓦は、設置から10年ほどで劣化症状が現れます。
現時点で、モニエル瓦が製造終了してから10年以上が経過しています。
そのため、現存するモニエル瓦でメンテナンスをしていないものは、劣化している可能性が高くなっています。
それでは、モニエル瓦の代表的な劣化症状をお伝えします。
表面の退色やチョーキング
モニエル瓦の表面の色が、うすくなってきたり、くすんできたりする劣化症状です。
日光や雨の影響で、モニエル瓦の表面の着色スラリー層が劣化し、色が抜け始めている状態です。
また、表面に触れると、チョークのような粉が着く、チョーキングも劣化の初期症状に挙げられます。
チョーキングも、紫外線などの影響で塗装面が劣化していることが原因です。
チョーキングについては、こちらの記事で詳しく取り上げているため、心当たりのある人は、参考にしてください。
これらは劣化の症状として、もっとも軽度なので、早めに対処することで、モニエル瓦を今後も使い続けられます。
新築当時よりも、家全体の色がくすんで見えてきたら、劣化のサインです。
モニエル瓦のズレやひび割れ
モニエル瓦が、何らかの影響でズレることも劣化の症状に挙げられます。
ズレを放置すると、雨水が下地にまでしみ込み、屋根の劣化や雨漏りの原因となることも。
また、モニエル瓦自体が割れてしまうこともあります。
原因は、飛来物やモニエル瓦自体の膨張と伸縮によるものが挙げられます。
モニエル瓦の割れてしまった部分には、スラリー層が存在しないため、雨水が容易に侵入します。
その結果、より一層劣化が早まっていきます。
モニエル瓦にコケなどが生える
瓦自体にコケやカビが生えてくることも、劣化症状の1つです。
主に家屋の北側の屋根に見られる症状です。
湿度が高い時期に、コケなどの胞子がモニエル瓦に付着することで、発芽し繁殖していきます。
コケなどが繁殖することで、モニエル瓦の主成分であるセメントが脆くなってしまいます。
放っておいてもコケがなくなることはないので、広範囲に繁殖するまえにメンテナンスを行いましょう。
防水シートの劣化
屋根材の下に施工する防水シートも経年劣化が進みます。
防水シートの劣化具合に合わせて一部分や全部を貼り替える必要があります。
モニエル瓦の劣化の進行に伴い、防水性が段階的に失われていきます。そのため住宅へ雨水が侵入していきます。
雨水が侵入すると建物の内側のセメントが劣化し、建物自体の劣化を早め、自宅の寿命を大幅に縮めてしまう可能性があります。
メンテナンスを早めに行うことでトータルの出費を減らし、お住まいの劣化と損傷を最小限に食い止めるのがベストの選択と言えるでしょう。
モニエル瓦のメンテナンス方法とは?
モニエル瓦は、通常の瓦とは異なるため、メンテナンスを行う際も注意が必要です。
基本的には、私たち塗装のプロがメンテナンスを行いますが、どのような点に注意が必要なのか、ぜひ知っておいてください。
古いスラリー層を除去する
モニエル瓦の大きな特徴でもあるスラリー層ですが、古いものが残ったままでは、新しい塗料が性能を発揮できません。
なぜなら、古いスラリー層が着いたまま塗装を行っても、新しい塗料が古いスラリー層と一緒に脱落するからです。
そのため、モニエル瓦を新しく塗装する際は、高圧洗浄で古いスラリー層を除去してもらいましょう。
さらに、高圧洗浄でも残ってしまったらスラリー層は、最終的には手作業で落とす必要があります。
モニエル瓦に合った塗料で塗装する
モニエル瓦は、瓦の中でも特殊なので、塗装に使用する塗料は慎重に選ぶ必要があります。
モニエル瓦に合わない塗料で塗装を行った場合、塗装不良を起こしたり、劣化が早まったりすることも。
そのため、モニエル瓦の塗装を依頼する際は、必ず塗装実績のある塗料を使ってもらいましょう。
メンテナンスの際に、どのような塗料が使われているか、調べる方法があります。
メンテナンスの見積もりに塗料の名前を記載してもらい、その塗料名を調べれば、どのような塗料なのか、はっきりとわかります。
モニエル瓦に塗装実績のある塗料としては、ヤネフレッシュSiやクールタイドFがおすすめです。
再塗装を行えば、モニエル瓦がフレッシュな状態になることに加え、自宅のイメージも大きく変わります。
10年から20年前と現在では流行も異なるので、ぜひ新鮮な気持ちになれるような色を選んでください。
さくら外壁塗装店では、実際の家のタイプ別に、イメージが湧きやすいようなカラーシミュレーションを用意しています。
メールアドレスの登録などは不要なので、ぜひ自宅のカラーイメージを膨らませてください。
モニエル瓦の塗装費用
モニエル瓦を塗装する場合の費用は、一般的な住宅の場合、40万円から100万円ほどです。
塗装の費用は、屋根の広さに応じて決まります。
そのため、広い屋根でグレードの高い塗料を使えば、塗装費用は高額になってしまいます。
しかし、高価な塗料は、高い性能をもっているものがあります。
たとえば、塗装の耐用年数は、塗料のグレードによってことなります。
そのため、安い塗料が3回寿命を向かえる間に、高い塗料は2回しか寿命を向かえていない、ということも。
20年や30年といったスパンで考えた場合、どちらがお得なのか、しっかりと塗装屋と相談しておく必要があります。
また、費用が高額だからといって、屋根の塗装を放置しておくと、さまざまな弊害が生まれてきます。
そのため、モニエル瓦に限らず、劣化の症状が見られたら、早めに対処することが重要です。
モニエル瓦を使った屋根は葺き替える必要がある?
モニエル瓦の寿命は20年から30年ほどです。
そのため、場合によっては屋根の葺き替えを考える必要があります。
日本での生産が終了したのは、2010年ですが、それ以前からモニエル瓦は使われています。
特に、家の築年数が30年を超えている場合、新築の時に設置したモニエル瓦は、寿命を迎えている可能性があります。
さらに、家を新築してから一度も屋根のメンテナンスを行っていない場合は、早急に点検が必要です。
葺き替えを行う場合は、平均して200万円ほどの費用が必要になります。
モニエル瓦から変更する屋根材によって金額は異なりますが、屋根の葺き替えは大きな出費に違いありません。
そのため、あらかじめ自宅の修繕計画を立てておき、費用を用意しておくことがおすすめです。
また、しっかりとメンテナンスを行うことで、ある程度は寿命を延ばせる可能性があります。
モニエル瓦の入手難易度は年々高くなっているため、劣化が進んでいない場合は、すぐに葺き替える必要はありません。
葺き替えるべきか、判断に悩んだ場合は、プロの塗装屋へ相談することがおすすめです。
築20年以上の家は、屋根瓦の確認を
モニエル瓦は1970年代から2010年まで日本で屋根材として使用されており、今ある屋根の多くがメンテナンスを必要としています。
お住まいがモニエル瓦の屋根であっても正しいメンテナンスで長く受け継いでいくことが可能です。
スラリー層を除去して再塗装することで失われた防水性は回復させられますし、外観も美しく蘇ります。
お住まいを長くいい状態で保つためにも早期のメンテナンスは必要です。
早期のメンテナンスを行うことでトータルの出費も抑えられるので、自宅がモニエル瓦を使った屋根の場合は、ぜひプロによる現地診断を受けてみてください。
さくら外壁塗装店では、プロの塗装屋による無料の現地調査を行っています。
実際に、ご自宅に伺うことで、具体的なお見積りや作業内容がご提案できます。
今ある屋根を大事にすることが環境にもお住まいにも、家計にも優しい選択です。
こまめなメンテナンスでモニエル瓦を使った屋根を長く美しく保ってください。
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