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さくら外壁塗装の外壁塗装コラム

屋根材の「コロニアル」って何?長持ちさせるには?特徴やメンテナンス方法について解説

2024年11月20日更新  2024年11月20日公開

住宅の屋根

数ある屋根材の中で、今一番普及しているのは「コロニアル屋根」ということをご存知でしょうか?
木のようにも見える質感の、金属でもなく瓦でもない特徴的な屋根。
お手入れ次第でとても長持ちさせることが出来る、コロニアル屋根についてお伝えしたいと思います。

コロニアル屋根とは?

コロニアル屋根のイメージ

コロニアル屋根は本来、「スレート」という種類の屋根材の中でもケイミュー株式会社が販売している商品名を指します。

しかし、スレートの中でもコロニアルの占める割合が高く、スレートの代名詞のようにコロニアルが屋根材の名前として広がりました。
ですから、コロニアル=スレートという使い方もされるようになりました。

コロニアル屋根の特徴

コロニアルはセメントと繊維質を混ぜ合わせて薄い板状に成型・加圧して製造した屋根材です。
主成分はセメントでつなぎとして繊維質が練り込まれています。
厚みが4.5㎜-6.0㎜と日本瓦に比べて薄くて軽量です。

繊維質には木片パルプが用いられ、2004年までは石綿(アスベスト)が用いられていました。
※2004年以降は石綿の使用が禁止され、現在は使用されていません。

このコロニアルを屋根材として防水シートの上に2層重ね張りしたのがコロニアル屋根です。
モダンな建物から洋風、和風を問わずに対応できるデザインの幅広さも魅力です。
普及しているスタンダードな屋根材なので街中で見る機会も多いです。

コロニアルの耐用年数

コロニアル屋根の耐用年数は20年程度と言われています。
天候や立地条件にも影響を受けますが、メンテナンスを適切に行えば耐久性を30年程度に伸ばすことが可能です。

注意点として、屋根材のコロニアルの寿命よりも先に塗膜の寿命が来ます。
防水性を保つために10年に1回程度、塗料の塗替えが必要になります。
コロニアル屋根は塗装と屋根材の補修の2方向からメンテナンスを考える必要があります。

コロニアル屋根が寒冷地に向いていない理由

コロニアル屋根は施工できる地域に制限があり、寒冷地は適していません。
コロニアルの断熱性が低いだけでなく、凍結に弱いというデメリットがあるためです。
コロニアル屋根は構造上、凍結と乾燥を繰り返すことでひびが入ってしまうため、寒冷地では欠損を起こしてしまい、本来の耐久性を発揮することが難しくなります。
お住まいが寒冷地にある場合は別の屋根材を使うことを検討した方が良いでしょう。

コロニアル屋根が普及した理由

コロニアル屋根は軽量です。
軽量な屋根材が選ばれるのは防災の観点から優れているからです。

地震における建物の被害は建物の重量に比例します。
屋根は広い面積があり、重い屋根材を用いると家自体の重量が重くなり、結果的に地震の際に被害が大きくなります。

日本は地震大国でもあるので、住居の耐震性や不燃性も重要視されます。
地震や火事に強いことは日本に住む上で外せない条件と言えるでしょう。
軽量で燃えにくいコロニアル屋根が好まれるのはこれらのニーズと合致したからなのです。

コロニアル屋根のメリットとデメリット

メリットデメリット

メリット

コストパフォーマンスが高い

コロニアル屋根が普及した理由として初期費用が他の屋根に比べて安いことも挙げられます。

日本瓦の屋根は丈夫ですが非常に高価です。
コロニアル屋根は安価でデザイン性が高いので急速にシェアを伸ばすことが出来ました。
コロニアル屋根の初期費用とメンテナンス費用の安さは魅力です。
他の建材であってもメンテナンスに費用が掛かることから短いスパンでメンテナンスする必要はありますが、トータルで考えても安価に抑えられるため人気があります。

自由度とデザイン性が高い

色やデザインを選べるのは大きな魅力です。

屋根の印象は家全体の印象にも大きく影響するので、好きな色や形状が選べるコロニアル屋根はデザインにこだわりたいお客様に人気があります。
日本家屋にも洋風のデザインもモダンなデザインにも対応できるのはコロニアル屋根の良いところです。

デメリット

こまめなメンテナンスが必要

デメリットとしてメンテナンスをこまめに行う必要があります。
メンテナンスが必要な理由とどのようなメンテナンスが必要かについてご説明しましょう。

コロニアル屋根がメンテナンスを必要とする理由

家のオブジェ

割れやすい素材

コロニアル屋根は軽量で薄く割れやすい素材をしています。
軽量であることはメリットですが、強度が金属の屋根材に比べると低いです。

工事や飛来物による破損

あまり多く発生することではありませんが、工事の際や台風の際に強風により飛来物によって破損する場合があります。
台風や強風の後は見える範囲に屋根材の破片や屋根に欠けがないか、目視で確認をしておくのがおすすめです。

また、構造的に強度が高くないため、工事で屋根に上がった際に割れたという事例があります。
屋根に上がる工事の際はその旨を業者に注意喚起しておくとトラブルになりません。

経年劣化が起きる

どんな素材であっても経年劣化から逃れることは出来ません。

特にセメントは経年劣化を起こしやすい素材ですので、セメントを使う以上は仕方のない部分です。
セメントが主成分のため不燃性が高く火事のリスクは下がります。
建材に限らず優先順位があり、地震や火事から家を守るために受け入れるしかない部分ではあります。

防水性が失われると中のセメントに水が浸透し、セメントの経年劣化が加速します。
屋根を防水加工や塗装することで、経年劣化の速度を抑えることは可能です。

実は屋根に防水性はない

コロニアル屋根の場合は防水シート、コロニアル屋根を2層重ねる形で施工します。
屋根材自体に防水性はないので、メンテナンスとして防水加工や塗装を行っています。

ただ、塗膜自体も劣化するため、塗膜を塗り替える必要が出てきます。
外壁塗装と同じように塗膜の劣化に伴い10年に1回程度塗替えをします。
足場代などが節約できるので外壁と合わせて塗装する方も多いです。

塗膜は定期的に塗り替える必要がある

屋外の環境は直射日光や風雨に晒されるため過酷です。
そのため塗膜は劣化し防水性が落ちます。

劣化した塗膜は色褪せ、カビや藻の発生が起こり徐々に美観が損なわれます。
建物を守るためにも美観を守るためにもコロニアル屋根には定期的なメンテナンスが必要です。

知っておきたいコロニアル屋根の経年劣化レベル

傷んだコロニアル屋根のイメージ

どれくらい劣化が進んだら屋根のメンテナンスが必要でしょうか。
塗替え頻度は約10年程度ですが、いつ塗り替えたかわからない場合は経年劣化の深刻度で測る方法があります。

はじめに変色する

塗料の色が褪せはじめます。

藻や苔が発生する

防水性が損なわれたことで藻や苔が発生し始めます。
この辺りから建物自体にダメージが出始めます。
塗装を考え始める頃合です。

経年劣化が進むと反れ、ひび割れが起きる

水がコロニアル屋根に浸透し、セメントは水が浸透して化学反応が起こります。
それによって屋根材が反ったり、ひび割れが起きたりします。

屋根材が滑落する

屋根材が反り、ひび割れが起こっても放置するとコロニアル屋根が滑落します。

屋根材の反りやひび割れ、滑落が起きた後は補修が必要になるのでその前にメンテナンスをしておくとコストがぐっと抑えられます。
コロニアルは二枚重ねに貼り、その下に防水シートが敷かれているため、1枚剥がれたからといってすぐに雨漏りが生じる訳ではありません。

もちろん、早く補修する必要があることは言うまでもありませんので、コロニアルが剥がれた時はなるべく早めに工事の手配をすることをおすすめします。

棟板金が浮いてしまう、釘が抜ける

棟板金は屋根を止めている板金です。
コロニアルの劣化が進むと最終的に棟板金が浮き、釘が抜ける事態も起こりえます。

ただ、一般的にはそこまで経年劣化が進む前に塗装や補修を行うことが多いです。
放置すればするほど大規模な修繕が必要になりますので、劣化の兆候が見られた場合は速やかにメンテナンスを行うのが費用的にも家を長持ちされるためにもよいでしょう。

一般的に塗り替えは10年に1度、葺き替えやカバー工法は20年から30年に1度必要になります。
あらかじめ、お金を積み立てておくと予算的にもダメージを抑えられます。

コロニアルのメンテナンス方法

家の修繕のイメージ

病気と同じく早期発見、早期補修が家に対するダメージが抑えられます。

補修も部分補修、塗装、カバー工法と劣化の度合いが進むにつれて規模が大きく工事費用が掛かります。
5年に1回程度、コロニアル屋根の検査を行うことで屋根を良い状態に保てます。

経年劣化が一部なら部分補修

劣化が著しい部分だけを取り除いて屋根材を差し替える方法です。
劣化が一部にとどまる場合、台風や強風で一部だけ破損した場合に用います。

塗膜が劣化しているなら再塗装

色褪せや防水性の低下については塗装を行う事で解決します。
塗装の際に気候に合わせて機能性のある塗料を使うことで防汚性や防カビ性などを付与することが出来ます。

全体が傷んでいる場合はカバー工法

カバー工法は既存の屋根をそのままに新しい屋根材を被せるように設置することで、古い屋根を撤去するより安価に工事することが出来ます。
新しい屋根材は金属屋根を用いる場合も、スレートを用いる場合もあります。
既存の屋根を残すので処分費用と工事費用がかからず比較的安価に抑えることが出来ます。
カバー工法は一度しか使えませんので、カバー工法を行った屋根が劣化した場合は屋根を葺き替える必要があります。

また、2004年以前に作られたアスベストが含まれるコロニアルは葺き替える際にアスベストの処分費用がかかるため、アスベストが含まれない屋根より工事費がかかるので注意が必要です。

劣化は最小限にするのが賢い選択

既存の屋根材を撤去して新しく屋根材を設置する方法を葺き替えと言います。
葺き替えは他のメンテナンスに比べると費用は高く工期も長くなります。

経年劣化が進むと大規模な工事になり費用も高くなるので、定期的な検査と補修を行うことをおすすめします。
カバー工法や葺き替えは屋根全体に屋根材を重ねる工事なので、工事の規模も大きく費用も高くなります。

コロニアル屋根の塗装方法

塗装したコロニアル屋根のイメージ

コロニアルはスレート屋根であるためセメントが主な素材です。
そのためメンテナンスにて塗装を行い塗料による保護をしなければ、雨水を屋根材が吸い込んでしまいます。
雨水を吸い込んだコロニアルは割れたり反ったりし、劣化が起こりやすくなるため、定期的に塗装メンテナンスを行うことで、表面の防水性を維持しなければなりません。

美観性ももちろんなのですが、コロニアル屋根の塗装は防水性を本来のものに戻すことも大きな目的となります。
それでは塗装についてどのように進めていくか、方法や手順をご紹介しましょう。

①足場を設置する

高圧洗浄や塗装のために、足場を組みます。
足場を組むために様々な機材をトラックで運びこみます。
足場の設置日数は長くて1日程度でしょう。

②高圧洗浄を行う

根の表面に付着した汚れや、カビ、コケなどを高圧洗浄で洗い流します。
本来ならコケやカビが出る前に塗り替えるのが長持ちのコツですね。
こういった付着物があるままに塗装をすすめていくと、剥離が早く起こります。
高圧洗浄は欠かせない作業です。
水圧が強すぎると、屋根をいためることもあるので、適切な水圧と洗剤を使い、プロの業者が丁寧に行う作業となります。

③乾燥・補修

洗浄後は1日~3日程度乾燥のために時間を置きます。
また、ケレン作業(塗装やセメント・コンクリート・モルタルなどの下地処理として、古い塗膜やサビや汚れを取り除く作業)を行うことも大切です。

ケレン作業は、サンドペーパーやワイヤーブラシなどを使って、古い塗膜や錆を物理的に除去していきます。
こうすることで、新しい塗料がしっかりと密着する下地を作れます。

④錆止めの塗布

薄型化粧スレートの屋根には鉄材の部位もあります。
鉄部にはエポキシ樹脂製のサビ止めを塗布します。

⑤上塗り

下地の状態に合わせた適切な下塗りの使用も重要です。
プライマーは塗料の密着性を高める役割を果たすため、省略すると塗膜の剥がれリスクが高まると言われています。

そのため1回目が乾いたら、同じ材料をもう一度塗布します。
おおよそ3回塗りで、仕上げるのが基本です。

塗り上がった塗料で屋根材の隙間がふさがらないよう、カッターですべての屋根材の隙間の縁を切っていきます。
これを「縁切り」といいます。
これを行わないと、屋根の隙間が塗料でふさがれてしまい、通気性が悪くなり、水分の排出ができず室内への雨漏りの原因となってしまいます。
コロニアル屋根に詳しい業者であれば、必ず縁切りを行っています。

⑥中塗り・下塗り

次に、選択した塗料の種類に応じて適切な方法で塗布し中塗りをします。
十分な乾燥時間を取り、最後に下塗りを行います。

乾燥が不十分だと、塗膜の剥がれや仕上がりがうまくいかないことがあります。
美しく耐久性のあるコロニアル屋根の塗装にするためには、それぞれの工程で丁寧な時間をかけることが大切です。

まとめ

コロニアル屋根はこまめなメンテナンスで耐久年数を伸ばすことが出来ます。
お住まいに経年劣化の症状が出ていたら外壁塗装やカバー工法を念頭に置いて現地調査を依頼するとよいでしょう。

状態が悪化してから補修やメンテナンスを行うより、初期症状の段階で手を打てば大がかりな工事は必要ありません。
節約のためにもお住まいを長く維持するためにも有益ですので、定期的に屋根の状態を観察しておきたいものです。

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