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外壁塗装に珪藻土を選ぶメリットとデメリット
2024年8月21日更新 2024年8月21日公開
珪藻土という素材をご存知でしょうか。
様々な商品に使用され重宝されていますね。
今、外壁塗装でも珪藻土が人気です。
およそ30年程度はメンテナンス不要という利点のほか、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
珪藻土が外壁塗装の分野でも注目度急上昇中の理由をご紹介します。
珪藻土ってどんな素材?
近年、珪藻土のグッズをホームセンタ―や通販で見かける機会が増えました。
珪藻土と聞くと一番に思い浮かぶのはバスマット、水で濡れてもすぐに乾くイメージが強いのではないでしょうか。
店頭で霧吹きでかけた水が一瞬で乾く、そんな実演を見た方も多いでしょう。
それ以外にも湿気取り、靴の除湿剤、計量スプーンやコースターなど様々な日用品に使われるようになってきました。
ここ数年で爆発的に普及してきた印象がありますよね。
しかし、意外と「珪藻土とはどんなものなのか」はあまりピンとこないということはありませんか。
珪藻土は藻類の化石
「珪藻土」とは、藻類に分類される植物性プランクトンが死んでから海底や湖底、川底に堆積して化石化した泥土です。
珪藻土には無数の微細な孔があるので毛細管現象によって保湿性・調湿性、吸水性、吸着性があります。
余分な湿度を吸い込んで湿度を調整する作用を利用したのが珪藻土バスマットや計量スプーン、コースター、湿気取りといった商品です。
また、吸湿性と吸着性が高い性質を利用して消臭にも用いられます。
靴の臭い取りなどですね。
また微細な孔が空気を含むため、耐火性にも優れます。
藻類が化石になったものなので燃えても有害物質が発生しません。
燃えても有害物質が発生しないということは災害や火事の際に大きな意味を持ってきます。
お家の外壁塗装にも有効ですね。
そんな珪藻土が今、外壁を塗装する材料(塗材)として注目が集まっているのです。
珪藻土を外壁の塗材にするメリット
珪藻土は外壁の材料としても機能性に優れた素材です。
どのようなメリットがあるのかご紹介しましょう。
湿度の調整機能
水がついてもすぐ乾きます。
いつまでもじめじめとしていることなく速乾性があります。
吸着性
化学物質を吸着するので消臭性があります。
化学物質を吸着する性質は再生可能ですから、排ガスの成分や臭い成分を吸着してくれます。
耐火性
珪藻土は主成分がケイ素であることから耐火性が強い素材です。
地震や災害時に発生する火事を想定すると大きな長所でしょう。
また、万が一燃えた場合でも植物プランクトンの化石となった土ですから有害物質が出ないのも大きな特徴です。
断熱性
多孔質のため、空気を含みます。
その空気が外気との壁になり断熱性が高くなります。
熱気はもちろん冷気も感じられるので一年を通して快適でしょう。
自然由来の成分
体に健康被害を及ぼす成分が入っていないので安全性の高い素材です。
ひび割れの補修がしやすい
珪藻土はひび割れが起こっても塗り重ねるだけで補修ができますので、比較的メンテナンスしやすい素材です。
珪藻土を外壁の塗材にするデメリット
勿論、デメリットがないわけではありません。
メリットになる特徴が裏目に出てしまう部分も存在します。
珪藻土のデメリットをご紹介します。
水以外を吸い込ませると汚れが落ちにくい
水分を吸収しやすいため汚れのある液体を吸い込ませてしまうと、汚れが染みついてしまい取れなくなってしまうことがあります。
ですが、表面をやすりで削れば問題ありません。
内部まで浸透してしまうと塗り重ねる必要が出てしまいます。
凝固剤の割合によっては効果が低下する
珪藻土を固めるために使う凝固剤の含有量が多い場合、珪藻土の調湿性が低下してしまう場合があります。
業者に珪藻土の割合や調湿性について、希望する性能をもっているかかどうか、しっかり確認をしましょう。
珪藻土について詳しい業者、施工実績の多い業者に依頼するのが安心です。
珪藻土に塗装すると調湿機能が失われる
珪藻土は表面に素材が表出していなければ、調湿性を発揮することができません。
このため、塗り替えをする場合は珪藻土を塗り重ねることが有効でしょう。
塗り替えのメンテナンスで使う塗料の量が他の塗料に比べ増える
珪藻土は吸水性が高いため、塗料をよく吸い込みます。
ですから、珪藻土を塗り替える場合は使う材料の量が多くなってしまいます。
使用する塗料の量が多いので、材料費が多くかかってしまいます。
塗料を使って外壁塗装をするか、珪藻土を塗ってメンテナンスするか、どちらの費用がどれだけかかるのか、珪藻土に詳しく実績のある業者に何軒か聞き、決めるようにしましょう。
化学物質が入っているかは商品によって違う
珪藻土の比率や配合されている化学物質についてはしっかり確認しましょう。
どの程度珪藻土が含まれているか、商品ごとに異なります。
どんな塗材であってもそうですが、成分表示を確認したり業者に説明してもらったりして確認しましょう。
珪藻土はとても優秀な塗材ですが、合う家と合わない家があります。
メリット・デメリットを比較して、ご自身の家に合うか考えてみましょう。
プロに頼んでプランを検討してみるのも良いでしょう。
どんなメリットを重視しているか、予算はどのくらいか、不安な点はどこか、プロの助言を求めるのは悪いことではありません。
珪藻土の外壁が最適な住宅とは
珪藻土のメリットやデメリットについてご紹介しました。
珪藻土を外壁塗装に使用する際の特徴はご理解いただけたでしょうか。
ここからは、珪藻土の外壁がぴったりの住宅について、また、お住まいの環境について解説いたします。
ポイントは湿気と化学物質にあります。
河川など近くや湿地帯で湿気との戦いが続くお宅にぴったり!
河川や湖沼の近く、低地では湿気の問題はとても深刻です。
特に冬場の結露や梅雨時期のカビは悩みの種ではないでしょうか。
結露や湿気はお部屋の湿度気が上がってしまうので、洗濯物の部屋干しもなかなか乾きにくくなり、衣類にもカビが発生しやすくなります。
湿気の多さは細菌の繁殖も促進してしまうので衛生上、高過ぎる湿気は弊害が大きいです。
ダニ・ノミも湿度が多い部屋を好むのでペットや小さなお子さんのいる家庭では特に気になりますよね。
カビの胞子やダニの死体はアレルゲン物質です。
吸い込んだり、皮膚に付着したりするとアレルギーを引き起こします。
喘息やアレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎など様々な病気の原因になることも……。
また、内装・外装ともにカビは美観を損なってしまいます。
湿度の調整は快適な生活を送るために必要な措置と言えるでしょう。
そんな湿度が高い地域や環境にお住まいの方のお悩みを解決してくれる救世主として、珪藻土は施工実績を増やしています。
シックハウスやアトピー、皮膚や体の敏感な方も安心
化学物質に敏感なお子さんや皮膚や体が敏感なご家族がいらっしゃると気になるのが化学物質とアレルゲンの影響です。
ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、トルエン、キシレンなど13種類の化学物質は高濃度で室内にあると重大な健康被害をもたらすことが証明されており、厚生労働省もその濃度には上限を設けています。
またカビ・ダニによる室内空気汚染もあるので湿度管理も大事です。
※シックハウス症候群は建具や家具から発生する化学物質・カビやダニ等から鼻や目・口・喉に刺激や痛み、乾燥の症状が出る健康被害のことです。
珪藻土は小さなお子さんやご高齢のご家族がいるご家庭でも安心してお使いいただける塗材です。
しかし、最近よく聞くものの、珪藻土を外壁に使うというのはあまり耳慣れず、心配になってしまう方もいるかもしれません。
ここからは、珪藻土を外壁塗装に使用する際の注意点やポイントをご紹介します。
外壁塗装に珪藻土を使用する際の注意点
珪藻土の特徴をご紹介し、ご理解いただいた上で、お住まいの地域や住環境によって気になる点があったかもしれません。
珪藻土を外壁塗装に使用する際はメリット・デメリットのほかにも注意すべきポイントがあります。
1. 台風や雨の多い地域は避ける
珪藻土は強い衝撃や激しい雨などに弱い素材です。
頻繁に台風がくる、激しい雨が多い、というような地域にお住まいの場合は、珪藻土のご検討は避けた方がよいかもしれません。
2. 珪藻土の工事経験や実績のある専門業者や職人であるか
珪藻土での外壁塗装は、壁に手作業で塗りこむ作業を行います。
これまで受注をしたことのある業者であるか、実績が多くあるか、また熟練した職人が在籍しているかを相談・見積もりの際に確認しておきましょう。
多少価格が張るかもしれませんが、未熟な職人では難しい作業になりますので、トラブル防止のためにもよく確認しておきましょう。
3. 吸水性の良さがデメリットになる箇所もあるのを知っておこう
珪藻土は吸水性が高いことをメリットの項目でご紹介しましたが、汚れが表面から内部へと浸透した場合は取れにくいことをデメリットでご紹介もしました。
カビやコケ、泥汚れなどが付きやすい箇所がある場合、その部分は珪藻土を使用すると汚れが落ちにくくなり目立ちます。
外壁塗装にどのように使用したらよいのか、どの部分に使用することが最適であり汚れが付きにくいのかは専門の業者や職人でないとなかなかわからないことです。
お家の状況や住環境をよくリサーチしてもらい、珪藻土が適切であるか事前に確認してもらうようにしましょう。
珪藻土が塗材に使われるようになった歴史
ここからは珪藻土が塗材に使われるようになった歴史を振り返ってみましょう。
実は、珪藻土グッズの人気の高まりと珪藻土の外壁が人気になったのは外壁の方が先なのです。
シックハウス症候群に注目が集まった1980年以降の化学物質を避けた建材や塗材を開発の中で1992年に初めての珪藻土を材料に用いた塗材が登場しました。
シックハウス症候群が日本で大きな問題になったのは1990年代の中ごろからで、エアコンを効きやすくするために住宅の気密性を高めた結果、換気が不十分になる、住宅建材が化学物質を含むプリント合板が用いられ室内に長く留まるなど、室内環境が変わってしまったのです。
室内の空気に含まれる化学物質やカビ・ダニによる健康被害が起き、「シックハウス症候群」として問題視されるようになりました。
現在は室内の空気汚染を防止するために、建築や家具を作る際に使用される接着剤や塗料に含まれるホルムアルデヒド等の有機溶剤や、防腐剤から発生する揮発性有機化合物などの13種類を指定し濃度指針値も示しています。
珪藻土は、そんな化学物質から自然由来の成分を用いようという流れの中で外壁や内装の塗材として登場したのです。
現在、話題の珪藻土マットも塗材として珪藻土を扱っていた左官業の会社が、左官職人の技術を結晶化させて生み出した商品です。
ですから、珪藻土を外壁塗装に用いる技術と珪藻土マットを作る技術のおおもとは同じです。
勿論、全ては同じではありませんが、同じ材料と技術ですので共通する部分は非常に多いです。
家の外壁が珪藻土マットの性質だったら、と想像してみてください。
すぐに乾く、臭いを吸着する、よく乾くからカビが生えにくい、と考えるとイメージしやすいでしょう。
日用品として珪藻土が身近になった今、珪藻土が塗材として注目が集まったのも自然な流れと言えるでしょう。
さいごに
珪藻土の外壁はメリットがいっぱいです。
しかし、そのメリットを生かすためには専門家の知識も必要です。
珪藻土を使う意味、施工にあたっての注意点、メンテナンスのポイントなどを専門業者によく確認して、快適な生活を送りましょう。
さくら外壁塗装に珪藻土の外壁塗装もお任せください。
ご予算やお悩みに合わせてプランを作成します。
相談だけでも結構です。
特に湿気にお悩みの方、気になったら是非お問い合わせください。
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