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外壁塗装の養生は必要?ビニール・マスカーの使い方や費用、注意点を解説します
2024年4月8日更新 2024年4月8日公開
初めて外壁塗装の見積もりを確認してみると、見慣れない項目だらけで戸惑ってしまいますよね。
しかし、見慣れないからといって、なんとなく見積もりを鵜呑みにしてしまうのは危険です。
しっかりと項目の意味を調べておくことは、自己防衛の上でも重要です。
この記事では、さまざまな見積もりの項目の中から、特に養生(ようじょう)について、塗装のプロが解説します。
一般的なサイズの家に必要な費用や、トラブルになりやすいポイントを養生について、わかりやすくお伝えしていきます。
養生についての知識を少しだけ増やしていただけることで、ご家族や塗装業者も含め、満足度の高い外壁塗装が行えるようになりますよ。
外壁塗装の養生とは
外壁塗装の際の行う養生とは、家の外に組まれた足場に加え、外壁や窓をビニールシートなどのカバーで覆う作業のこと。
養生は外壁塗装の仕上がりを左右し、無用なトラブルを避けるための重要な作業です。
実は外壁塗装は、前段階の準備がとても大切な作業です。
実際に壁面に塗料を塗るまでに、いくつもの作業を行う必要があります。
足場の組み立てや養生など、塗装に入るまでに4つもの工程が必要になります。
しかし、養生に限らず、どの工程も塗装の仕上がりに影響を及ぼす重要な作業です。
そのため、費用を下げたいからといって、養生や洗浄作業を省くことはできません。
外壁塗装に養生が必要な理由
それでは、なぜ手間をかけて家の敷地全体に養生が必要なのでしょうか?その理由を解説いたします。
外壁塗装の際に塗料が付着すると困る部分を覆うため
外壁の塗装作業には、塗装範囲によってスプレーガンやローラー、はけなどを使い分けます。
しかし、スプレーガンやローラーは1回で塗装できる範囲が広いため、思わぬ場所にまで塗料が付着することも。
そこで、あらかじめ家全体を塗装する場所としない場所にわけておき、塗料が着いてしまうと困る場所に養生を行っておきます。
養生をしておくことで、ご依頼主様も塗装業者も、安心して作業を進めることができます。
その結果として、養生は全体の作業スピードに影響を及ぼします。
養生は建物の保護と同時に、素早くきれいに塗装を行うための必要な作業です。
そのため、費用を節約したいからといって、省くことはできません。
自宅以外にも養生が必要な場合も
養生は、自宅の建物以外にも、庭や自動車などに行う場合があります。
外壁塗装は屋外での作業となるため、天候によっては瞬間的な強風で、思わぬ距離にまで塗料が飛散することも。
そして、外壁用の塗料が大切な庭木や鉢植えなどに塗料が付着してしまう可能性もあります。
そのため、養生は家だけではなく、庭木や鉢植えに加え自動車にも行います。
また、必要に応じて隣接するご近所の家にも行う場合があります。
やや大げさに見えるかもしれませんが、万が一を防ぐためにもしっかりと養生をしておくことが重要です。
養生中でもエアコンは使える場合が多い
養生中でもエアコンは、通常通り使えるように処理してあります。
エアコンを使う場合に、問題になるのが室外機です。
エアコンが稼働しているときは、室外機のファンも動いており、空気を外に放出しています。
エアコンの室外機も養生を行う必要がありますが、完全に密封してしまうと、空気を外に放出できなくなってしまいます。
そのためエアコンの室外機には、わざと空間を開けておいたり、専用のシートを使ったりして養生を行います。
そうすることで、室内では通常通りエアコンを使うことが可能になります。
しかし室外機の場所や塗装業者によっては、やむをえずエアコンの室外機を完全に養生してしまう可能性もあります。
室外機の裏側の壁面を塗装する場合には、どうしても室外機を移動させなければなりません。
そのため、エアコンを使う場合は塗装業者に確認を行ってください。
外壁塗装に養生が必要な期間
一般的な外壁塗装の作業期間は2週間ほど。そのうち、養生が必要な期間は約1週間です。
そのため半分ほどの期間は、養生されている状態の自宅で過ごす必要があります。
ある程度の制約が生じる可能性はありますが、基本的には家の中で普段通りの生活を送ることができます。
外壁塗装に使用する養生の種類
外壁塗装に使う養生は、1種類だけではありません。
建物のさまざまな場所に応じて、異なる種類の養生を行います。
養生にはどのような種類があるのか、代表的なものを紹介します。
窓などの養生にはマスカー
窓などを養生する際には、マスカーと呼ばれる道具を使用します。
マスカーとはテープとビニールシートが一体になったもので、テープを貼りながら養生が進められる便利なもの。
さまざまな種類のマスカーが販売されているので、外壁塗装の現場では多くのマスカーを見かけます。
またマスカーのビニール部分はそれほど強度がないため、あえて全部を養生してしまってから部分的に破って空気の通り道を確保することも可能です。
手慣れた塗装職人は、複雑な形のものでもマスカーを使って、驚くほどきれいに養生をします。
自動車の養生にはカーシート
家の敷地内に駐車場がある場合は、自動車にも養生が必要になることも。
その際には、カーシートと呼ばれる大型のシートで自動車をすっぽり覆うように養生を行います。
カーシートは、不織布(ふしょくふ)と呼ばれる布状のものが一般的です。柔らかくふわふわしているため、自動車の繊細な塗装を傷つける心配も少ない、優秀な養生の道具です。
簡単に脱着ができるため、養生中でも気軽に自動車を使えます。
ベランダなどの養生にはノンスリップマスカー
ベランダなど、人が歩く可能性のある場所には、ノンスリップマスカーと呼ばれる養生を行います。
通常のマスカーに比べると、文字通り滑りにくい上に破れにくいのが大きな特徴。
また、屋根など万が一にも足を滑らせると、大きな事故につながる場所での養生にも使われています。
通常のマスカーに比べると種類は限られますが、塗装する場所に応じて、適切な大きさのノンスリップマスカーで養生を行います。
塗り分けが必要な場所の養生はマスキングテープ
マスカーでの養生では難しい、細かな場所の養生にはマスキングテープを使います。
サイズは市販のマスキングテープと同じなので、大量の養生には向きません。
しかし、ドアの取っ手や細かい塗り分けが必要な部分に、大活躍する養生の道具です。
綺麗な直線を出したい塗装部分にも、マスキングテープを使うことがあります。
建物全体の養生には飛散防止ネット
家全体を覆うように養生するのが、飛散防止ネットです。
外壁塗装の作業を通じて最も長い間使われる養生の道具です。
飛散防止ネットを設置することで、塗料や汚れが敷地外に飛散する可能性を下げています。
飛散防止ネットがなければ、職人も安心して塗装作業を進められません。
通路などにはブルーシートで養生
通路や資材置き場への養生には、ブルーシートが使われます。
頻繁に人が通る場所は、重い資材を置くような場所には、耐久力の高いブルーシートを敷いています。
ブルーシートは、お花見やBBQの際に使われることでおなじみの、青いビニール製のシートです。
尖った部分をビニールシートでぐるぐる巻きにしておくことで、ケガを防ぐような使い方もあります。
植木やプランターも養生をする
大切な植木やプランターにも、塗料が付着しないように、しっかりと養生を行います。
マスカーやビニールシートを使って、植物全体を覆っていきます。
また、植物へ影響のない範囲で枝や葉などをまとめておくことで、職人が作業中に接触しない様に保護をしてく、という目的もあります。
養生の費用相場について
外壁塗装の際に行われる養生の費用は、1平米あたり300円から500円が相場です。
一般的な大きさの住宅であれば、養生の費用は3万円から5万円ほど。
ただし、養生は行う場所によって手間や、使用する道具が異なります。
そのため同じ広さの住宅でも、養生の内容が違えば費用も異なります。
業者によっても養生の費用は異なるため、シビアに見積もりを行うのであれば、2社から3社に相見積もりを依頼することがおすすめです。
養生の際の注意点と対策
外壁塗装のための養生を行っている期間は、いくつかの点で注意するべきことがあります。
どのような点に気を付けるべきなのか、解説していきます。
養生中は窓が開けられない
マスカーで覆われているため開けられない
外壁塗装を行っている最中は、窓を開けることができません。
無理やり窓を開けようとすれば、養生してあるマスカーが破れてしまう可能性があります。
マスカーが破れてしまえば貼り直さなければなれないため、二度手間となってしまいます。
一方で塗装作業中は、窓を開けることで塗料の匂いが室内に入ってきてしまうことも。
換気扇の使用によっても塗料の匂いが浸入してくるため、注意が必要です。
事前に業者と相談しておく
開けたい窓がある場合は、あらかじめ業者に相談しておくことがおすすめです。
あらかじめ相談しておくことで、業者側でも窓を開けやすいような形で、養生をしてくれる場合もあります。
また、業者にしっかりと相談しておくことで、窓を開けたい時間などの希望も伝えておくことができます。
植物への養生はダメージを与えてしまう場合がある
養生期間が長くなれば危険性が高まる
植木やプランターなどへの養生が長期間に及ぶと、大切な植物がダメージを受けてしまう可能性も。
塗料の飛散や作業中の安全性の面から、植物の枝や葉をぐるぐる巻きに養生することがあります。
本来はのびのびと葉を伸ばしたい植物にとっては、大きなストレスですよね。
また、養生によって葉が日光に当たらなかったり、反対にビニールハウス内のように高温になってしまったりすることも。
いずれにしても、長期間の養生は植物にとっては危険な行為です。
期間を絞って養生してもらえるように業者に伝える
植物に対する養生を、どうしても必要な期間に限定して行うように、業者に伝えておくことがおすすめです。
たとえば、植物に対する養生を塗装の直前にしてもらったり、シートのかけ方を工夫してもらったりするなど、事前に塗装業者と打合せをしておきましょう。
大切な植物が、外壁塗装の後から元気がなくなってしまった、と思っても後からでは手が打てません。
洗濯物を干すことができない
ベランダや物干し場も養生されている
自宅が養生されている間は、洗濯物を外に干すことができません。
ベランダや物干し場なども、しっかりと養生されているため、いつも使っている場所は使えなくなっているはず。
そのため、自宅が養生されている間、どのように洗濯物を済ませるのか、考えておく必要があります。
室内乾燥やコインランドリーを活用する
自宅が養生されている間は、室内乾燥やコインランドリーの活用がおすすめです。
通常の作業ペースであれば、自宅が養生されている期間は1週間ほど。
そのため、1週間だけ室内乾燥やコインランドリーを使って乗り切りましょう。
コインランドリーは洗濯から乾燥までを行うとお金がかかるため、乾燥機の使用だけにすることで、若干の節約ができます。
また、Tシャツなどの乾きやすい洗濯物は浴室乾燥や室内乾燥で対応すれば、コインランドリーに行く回数自体を減らせます。
外壁塗装中の洗濯物の取り扱いは、こちらの記事でも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
【https://www.gaiheki-tosou.shop/blog/?p=1820】
養生が不足しており塗料が付着してしまった場合
万全を期して養生を行っても、まれに思わぬ天候により、塗料が飛散してしまうことがあります。
飛散してしまった塗料が、養生している部分に付着すれば問題はありません。
しかし、養生している以外の場所に付着してしまった場合は、直ちに対処が必要です。
そのため、外壁塗装の作業が終了したら、実際に家の敷地を見回ることをおすすめします。
また、ご近所へも塗装作業が完了したことを伝え、万が一塗料の付着があれば、担当者へ連絡してもらうことが重要です。
特にご近所へはアナウンスを行っておかないと、トラブルにつながる可能性も。
トラブルになってからでは遅いので、しっかりと確認しておきましょう。
トラブルを防ぎ美しい仕上がりを約束してくれるのが養生
養生とは外壁塗装の美しい仕上がりのために必要な工程であり、同時にご近所や自宅でのトラブルも防いでくれます。
養生にかかる費用は外壁塗装全体で考えると大きな割合ではありませんが、養生が果たす役割はとても重要なものです。
トラブルの起こらない塗装作業を進めてもらうためにも、実際に塗装業者と打ち合わせるまえに、ぜひこの記事を参考に伝えるべきポイントや要点を押さえていただけたらと思います。
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