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窯業系サイディングとは?外壁塗装前にチェックしておきたい特徴などを紹介
2024年9月27日更新 2024年9月17日公開
外壁材のひとつであるサイディング。
そのサイディングにも種類があるのをご存知でしょうか。
サイディングには、窯業系サイディング・金属サイディング・樹脂サイディング・木質系サイディングとおおまかに分けて4つの種類があります。
その中のひとつである「窯業系サイディング」とは、セメント質原料や繊維質原料、混和材を混ぜ合わせて成形し、窯で乾燥させて固めた外壁材です。
表面はレンガ調や木目調、石調、幾何学模様など様々な質感が再現され、更に表面塗装が施されています。
またその意匠性を長く保つため、防汚効果の高い塗料などが塗装されて完成となります。
最近は、耐久性の高い外壁材や外壁塗料も多くなりましたが、全ての商品が高耐久ではなく、耐久性、意匠性を保つための塗り替えによるメンテナンスは必要になってきます。
では、どのような状態になれば、窯業系サイディングのメンテナンスが必要になるのでしょうか。
今回は外壁のサイディングのひとつである『窯業系サイディング』にピックアップし、知っておきたいポイントをご紹介していきます。
窯業系サイディングとは
窯業系サイディングとは、セメントや繊維質をなどを混ぜ合わせた外壁材です。
製造過程で、窯の中で高温処理されるため、「窯業系」と呼ばれています。
耐火性能に優れ強くしなやかな素材で、色やデザインも豊富なため、現在日本で使用されている外壁材の約70%以上は、この窯業系サイディングと言われています。
また、他の外壁材に比べて初期費用を安価に抑えることができるため、コストパフォーマンスが高い点も窯業系サイディングが人気の理由と言えるでしょう。
窯業系サイディングのメリット
デザインやカラーが豊富
窯業系サイディングのデザインは、木目調やタイル調、石材調など様々です。
カラーも多種多様なため、イメージに沿ったデザインを演出することも可能です。
豊富なデザインから好みのデザインを選択できることは、大きなメリットです。
初期費用を抑えられる
窯業系サイディングは、他の外壁材に比べてコストパフォーマンスが高い点もポイントです。
大量生産が可能で複雑な施工工程がないため、単価や人件費を抑えることができ、初期費用を抑えることが可能です。
窯業系サイディングは、機能面だけでなくコスト面でも優れた外壁材です。
耐火性能に優れている
窯業系サイディングは「防火外壁材」と呼ばれるほど、耐火性能に優れています。
不燃材料や純不燃材料として国からも認められているため、近隣で火災が発生した場合も最小限の被害にとどめることが可能です。
施工期間が短い
窯業系サイディングの施工方法はシンプルで、職人のようなパフォーマンスが必要とされる工程もないため、短期間で施工することができます。
初期費用を抑えつつ、施工期間を短くしたい方に最適な外壁材です。
窯業系サイディングのデメリット
定期的なメンテナンスが必要
窯業系サイディングの施工時には表面に塗料が塗られますが、この塗料は時間とともに劣化していきます。
劣化により色あせやひび割れ、剥がれなどが発生しますが、これらを放置すると雨漏りなどの原因にもなるため、定期的なメンテナンスが必要です。
基本的には10年に1度の塗り替えと、5~10年に1度はシーリングのメンテナンスを行うことをおすすめします。
このように、他の外壁材よりもメンテナンスの手間がかかる点はデメリットです。
熱がこもりやすい
窯業系サイディングの特徴として、「熱をため込みやすい」という点があります。
特に夏場は室内の温度が上がりやすくなるため、エアコンなどを使用することが多くなるでしょう。
しかし、遮熱効果や断熱効果のある塗料を使用することで、このデメリットを改善することができます。
素材自体に防水性能がない
窯業系サイディングは外壁材自体に防水性能を備えておらず、その上の塗料に防水性能を補っています。
防水性能を備えた塗料が剥がれると、雨などの影響により水を含むことがあるため、こまめなメンテナンスが必要となります。
窯業系サイディングの外壁に塗装を行う理由とは?
そもそもなぜ窯業系サイディングの外壁に、塗装を行うのでしょうか。
理由は大きく分けて2つあります。
①美観・デザインを保つため
窯業系サイディングの表面には、保護するための塗料が塗られていますが、この塗膜が紫外線などによって劣化すると、外壁材自体にも紫外線が到達するようになり、色あせや変色などが起こります。
色あせや変色が発生すると元には戻らず、美観は損なわれ続けてしまうことになります。
そこで注目したいのが、サイディングに塗られている保護塗料です。
外壁材の美しさを維持する保護塗料を塗りなおせば、色あせや変色を防ぐことができます。
また一度色あせや変色が起きてしまった外壁材は、上から新たに塗料を塗ることで、意匠性の回復を図ることも可能です。
その他、コケや藻、鳥の糞、雨だれなどに由来する汚れが外壁に発生することもありますが、そのような汚れを除去するためにも外壁塗装は有効です。
②外壁材と建物の耐久性の維持とメンテナンスのため
耐久性に優れているといわれる窯業系サイディングの外壁ですが、雨や風・太陽光に晒され続けていることで、塗料は少しずつ劣化していきます。
③コーキングに劣化がある場合の打ち直し
窯業系サイディングには、外壁材同士の継ぎ目にコーキングと呼ばれる伸縮性のある素材を充填するのですが、このコーキングが劣化しやすく、注意が必要です。
コーキングが劣化してしまうと、そのつなぎ目から雨水や湿気が外壁材の裏側まで侵入してしまい、外壁材だけでなく建物躯体にも影響が出るおそれがあります。
その他、地震や振動などによりサイディング材がズレたり、衝撃でひびが入ってしまったりといった症状が見受けられることもあります。
そのような劣化や不具合が発生していないか定期的にチェックをして、耐久性の維持を図っていくことが大切です。
一般的な窯業系サイディングに使用される表面塗装の耐久性は10年程度、継ぎ目に使用されるコーキング材の耐久性は数年~15年です。
新築から10年で、建物の劣化を確認するためにも外壁の劣化診断を受けるといいでしょう。
窯業系サイディングの外壁塗装を怠るとどのような劣化をするの?
では、窯業系サイディングの外壁を塗装せずに放置すると、どのようなデメリットが生じるのでしょうか。
実際予想される外壁のトラブルを段階ごとにご紹介します。
①コケや藻、カビなどが発生し、美観を損ねる
窯業系サイディングの保護面が劣化し始めると、防水性、撥水性、防汚性などの効果が低下していきます。
コーティング効果が弱まった外壁表面は、コケや藻、カビなどが発生しやすい状態になります。
また更に雨だれなどの汚れがつくと、建物の美観が損なわれてしまいます。
②ひび割れ・剥がれ・膨れなどの劣化につながる
窯業系サイディングの外壁は、塗装をすることで防水性を高めていますが、コケや藻、カビが発生すると、外壁材が常に水に浸されているような状態になります。
その状態が続くと、サイディングの強度が低下し、ひび割れなどを起こしてしまう可能性があります。
ひび割れは、後述のように、建物自体の劣化、腐食、カビの原因となるおそれがあるため、放置せず早めの対策をしましょう。
③劣化、腐食、カビの発生が起きる
窯業系サイディングの外壁を塗装せずに放置したときの最大の懸念材料が、建物への影響です。
窯業系サイディングの外壁では、もともと外壁材の内側に雨水が入り込んでも、自然と外に出るような仕組みになっています。
ところが外壁材や継ぎ目のコーキングが劣化し、外壁材と断熱材の間に常に湿気が溜まってしまうような状態になると、住宅自体の劣化や腐食、カビの発生につながってしまうおそれがあります。
建物自体の劣化は、家の強度や耐久性に関わるので、劣化が進行してしまうと外壁のメンテナンス以外の大きな修繕が必要になり、日数や費用がかかります。
そうなる前に、点検やメンテナンスを行いましょう。
窯業系サイディングの外壁の塗装をするタイミング
窯業系サイディングの外壁塗装をするタイミングとしては、築10年を目安にするとよいとされています。
外壁へのダメージは少しずつ蓄積し、劣化が進んでいきます。
塗装してから約10年程度で劣化の症状が現れてくるため、状態を調査し、塗装を検討するタイミングと考えてよいでしょう。
窯業系サイディングに使用される塗料の耐用年数も考慮するとわかりやすいかもしれません。
例えば、新築時の塗料の耐用年数は短いもので10年程度、長いものは30年といわれています。
ですが、塗膜やコーキングの状態を定期的に確認しておくことが大切です。
点検やメンテナンス時期は築10年くらいが目安になります。
とはいえ、住まい環境によって塗料の劣化スピードは違うため、以下のような症状がみられたときは、塗装店への相談をするタイミングと考えるとよいでしょう。
藻やカビ、コケの発生
建物が密集している地域や日当たりのよくない場所にお住まいがある場合、外壁に藻やカビ、コケが発生してしまうことがあります。
塗装面の劣化で防水性が低下しているおそれがあるときに起こる症状です。
チョーキング現象
チョーキング現象とは、外壁に薄く粉状のものが発生することで、手で撫でてみると、白い粉や塗膜と同じ色の粉が付着する現象です。
日光により、塗料が化学反応を起こし表面に顔料が浮き出てくることで起こります。
チョーキングの発生は、外壁の塗膜が劣化しているサインです。
外壁の保護機能が低下している可能性が極めて高く、塗り替えのタイミングと言って良いでしょう。
色あせ、変色
色あせ・変色は、日光(紫外線)にさらされ続けるために起こる現象です。
塗料の成分が日光により化学変化を起こしてしまった状態なので、元には戻りません。
塗装面の経年劣化で保護機能が失われている可能性が高い症状です。
クラック(ひび割れ)
塗料の柔軟性の低下により、固くなってしまったときに発生するのがクラック(ひび割れ)です。
地震や交通量の多い地域の微振動に加え、外壁の劣化が主な原因とされています。
大きなクラックは、表面だけでなく下地材自体の割れが発生している可能性があります。
クラックから雨などの水分が侵入してしまうと、建物に雨漏りなどが発生し、建物躯体自体の劣化に繋がりかねません。
一時的な補修ではなく、塗り替えなどの抜本的対策が求められる状態といえます。
窯業系サイディングの外壁塗装の種類
窯業系サイディングのメンテナンス方法である外壁塗装は、どのような工法があるのでしょうか。
ここからは4つの方法をご紹介します。
塗装をご検討する際にご参考ください。
単色で塗装する
外壁塗装といえば、単色の塗料ですべて塗装することをイメージする方が多いかと思います。
単色での塗装は最も一般的な塗装方法で、さくら外壁塗装店でも多くのお客様が単色での塗装を希望されています。
前回の塗装や元の外壁材の色に近い色を選べば、イメージを変えることなく美しい外観をよみがえらせることができます。
一方、家のイメージを180度変えるような大胆な色選びも可能です。
ご家族と相談しながら色のイメージを決めるといいでしょう。
多彩模様塗料で塗装する
窯業系サイディングは、表面にさまざまな模様が施されていることが多い外壁です。
特に石材やレンガなどをモチーフとしたデザインの外壁材に従来の単色塗装を施した場合、外壁材が持っていた意匠性を損なってしまうのが難点でした。
そんな意匠性の高い外壁材にも対応でき人気を博しているのが、多彩模様塗料です。
石材をモチーフとしている外壁デザインとの相性が良く、塗料に含まれる細かなカラーフレークが複雑な模様を再現。
まるで本物の石材のような風合いに仕上がります。
タイル調やレンガ調などの窯業系サイディングにもおすすめの塗料です。
ダブルトーン工法
ダブルトーン工法とは、2色使いで立体的な塗装を施す方法のことです。
中塗りで外壁材全てを一色で塗りつぶしたあと、上塗りの段階で目地などの窪んだ部分を除いた表面だけを塗装して、2色に塗り分けることで立体感を演出します。
タイル調やレンガ調といった目地(凹み部分)がある窯業系サイディングの外壁におすすめの塗装です。
クリアー塗装
窯業系サイディングの色あせや変色が進んでいない場合や、ひび割れなどのトラブルがない場合には、クリアー塗装という選択も可能です。
透明な塗料を使用して塗装するため、窯業系サイディングのデザインを変えることなく、保護面を付加することが可能です。
ただ、色あせや変色が起こっていると、窯業系サイディングの劣化がそのまま残ってしまうような形になるため、目立った劣化がない場合に限ります。
窯業系サイディングの塗装事例10選をご紹介
それではここからは、窯業系サイディングのメンテナンスである外壁塗装を行った事例を10件、ご紹介します。
デザインや塗料の種類の違いにもご注目くださいませ。
①締め色のブラウンカラーがポイントのツートンカラー
外壁はベージュカラーからホワイトカラーに変更し、アクセントは以前と同じブラウンカラーで塗装。
シリコン系の塗料を使用したことで、塗膜が劣化しにくく耐久年数を高めることができました。
また、仕上がりのツヤが通常の塗料よりも美しく持続します。
経年劣化による黒ずみや汚れが目立ってきたベージュ系カラーから一新してメリハリある外観に仕上がりました。
②築20年の外壁を補修後、新築のようによみがえった住宅
築20年の住宅の外壁には経年劣化による汚れや補修の必要な個所が多数ありました。
補修後、濃いブラウンをポイントにし、おしゃれな新築物件のようによみがえりました。
③外壁の汚れが目立ってきた住宅を、さわやかなツートンカラーに塗装
外壁の黒ずみなど、経年劣化による汚れが目立ってきた住宅に、ブルーとホワイトのシリコン塗料で塗装しました。
シリコン塗料は紫外線による劣化を防ぎ美しさを長く保ってくれる塗料です。
爽やかなツートンカラーが素敵ですね。
④無機塗料で経年劣化による汚れも払拭!
築15年のご住宅。
外壁の汚れが気になり無機塗料にて外壁塗装を行いました。
無機塗料は塗料の中では耐候性がいちばん強いといわれている塗料です。
また、汚れが外壁に付着しても雨水で洗い流し、自ら汚れのメンテナンスを行ってくれる塗料でもあります。
⑤ラジカル塗料で塗装した赤のポイントカラーがおしゃれ
外壁の汚れが気になり、ご近所でも塗装工事をしているのをご覧になって塗装工事をお決めになられたご住宅です。
赤い部分はレンガ調のサイディングでしたが、シックな赤に塗装しオリジナリティのある外壁に仕上がりました。
⑥ツヤのある美しいグレーの塗料でよみがえったお住まい
お住まいの外壁に汚れが目立ってきたため、外壁塗装を施工されました。
ツヤ感のあるグレーカラーがモダンで素敵ですね。
ツヤ感のある外壁塗料は汚れが落ちやすく、つきにくいため、長く美しく保たれることでしょう。
⑦シーリングの打ち増しをほどこし、明るいカラーに塗装
サイディング同士をつなぐコーキング(シーリング)の破損や劣化が見られたので、補修した後、明るいサーモンピンクに塗装しました。
これまでの外壁カラーは薄いオレンジでしたが、雰囲気はさらに柔らかくなり、おしゃれなお住まいになりました。
⑧ピンク色の外壁色の汚れが気になり、モダンなブラウンに変更
築年数20年の住宅で外壁の汚れが気になるとのことで塗装を行いました。
ブラウンを基調に付帯部分は白に、サイディング部分は残し高圧洗浄をして美しさを取り戻しました。
重厚なブラウンですが、ウォールアクセサリーを際立たせたカラーと白い付帯部分が爽やかでおしゃれな雰囲気を醸しています。
⑨前回の塗装から約20年経過。明るく温かな雰囲気に完成!
ワントーンのクリームカラーの外壁から1階部分をベージュにし、温かみをプラスした仕上がりになりました。
また、汚れが目立ちにくく長く美しく保ってくれることでしょう。
⑩クリアー塗料でもともとの外壁色を活かしたお住まい
これまでの外壁には経年劣化による色あせや黒ずみがありましたが、水性クリアー塗料でクリアー塗装を施しました。
外壁色の劣化の一番の原因である紫外線カット効果とこれまでの意匠性やデザインをそのままに活かすことができますね。
窯業系サイディングの外壁塗装の費用相場とは?
窯業系サイディングの塗装では、使用する塗料の種類、破損個所の数、コーキングの長さなどにより、価格が変動します。
一般的な2階建ての家の外壁塗装では、100万円~150万円程度です。
屋根の塗装も一度に行う場合では、130万円~180万円がおおよその相場となります。
外壁塗装自体の単価は、塗料の種類に左右されるので、窯業系サイディングであっても価格差が発生することはありません。
お住まいの外壁塗装が一体いくらかかるのか、費用について知りたい場合は、是非さくら外壁塗装店へお問い合わせください。
コストをできるだけ抑えた塗装方法や最適な塗料の提案はもちろん、デザイン提案や修繕提案、分割払いによるお客様負担の軽減まで、様々な面でサポートいたします。
窯業系サイディングのメンテナンスや外壁塗装はぜひ当社へご相談ください!
窯業系サイディングは、意匠性と耐久性を兼ね備えた外壁ですが、他の外壁材同様、点検は必要不可欠です。
定期的にしっかりと外壁をチェックして、長く住める家にしていきましょう。
いつでもご相談をお待ちしております。
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