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ガルバリウム鋼板とは?外壁・屋根のメンテナンス方法も
2024年5月24日更新 2024年4月17日公開
この記事ではガルバリウム鋼板とはどのような金属鋼板であるのかについて、詳しく解説します。
また、ガルバリウム鋼板を使用するメリット・デメリットについても取り上げるので、ぜひご覧ください。
ガルバリウム鋼板とは、金属鋼板をアルミニウムや亜鉛、シリコンでメッキ加工した素材です。
50年以上の歴史を持つ金属素材で、外壁材や屋根材として広く使われています。
この記事では、ガルバリウム鋼板の概要・特徴やメリット・デメリットについて、詳しく解説します。
さらに、ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法についても詳しく取り上げるので、自宅の外壁材・屋根材のメンテナンスに興味を持っている方は、ぜひ参考にしてください。
1. ガルバリウム鋼板とは?
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムや亜鉛、シリコンで構成された合金でメッキ加工された金属鋼板のことです。
1972年に開発されてから50年以上の歴史がある金属素材で、現在では外壁材や屋根材として多くの建材メーカーで採用されています。
メッキの成分にアルミニウムが含まれていないトタンに比べると、耐久性が高いと言われる素材です。
また、ガルバリウム鋼板は、厚みが0.35〜0.5mmほどの金属素材です。
薄い素材のため、既存の外壁や屋根はそのままで新たな外壁材・屋根材を張る「重ね張り」と呼ばれる工事に適しています。
トタンよりもサビにくいといった特徴もあり、リフォームにおいて注目を集める素材です。
2. ガルバリウム鋼板のメリット・デメリット
ガルバリウム鋼板は、外壁材や屋根材として用いるのに適したメリットがいくつかありますが、その一方でデメリットとなる点もあるのが実状です。
以下で紹介するメリット・デメリットを併せて把握し、外壁・屋根に関する今後のメンテナンス時の判断に生かしましょう。
2-1. ガルバリウム鋼板のメリット
ガルバリウム鋼板は薄い金属鋼板であるものの、耐久性が高いという特徴があります。
その特徴は、下記に挙げる高い耐震性や長い耐用年数といったメリットにつながるポイントです。
(1)軽量で耐震性に優れている
厚さ1mmに満たない素材であることに加えて、軽量な点もガルバリウム鋼板の特徴です。
屋根・外壁のどちらに使っても建物にかかる負荷が軽減でき、耐震性の向上につなげられます。
(2)ほかの素材よりも耐用年数が長く、長持ちする
同じ金属素材のトタンなどに比べると耐用年数が長い点がメリットです。
トタンの耐用年数は10〜20年と言われている一方、ガルバリウム鋼板は定期的なメンテナンスを行うと、40年以上の利用が可能と言われています。
(3)サビに強い
金属素材の中でもサビに強く、建物の外観維持にかかる手間の軽減が期待できます。
金属の特性上まったくサビないわけではない点に注意してください。トタンよりはサビにくいと覚えておくと、外壁材・屋根材の素材選びに役立ちます。
2-2. ガルバリウム鋼板のデメリット
ガルバリウム鋼板はサビに強いものの、サビの発生を完全に防げる素材ではありません。
ほかにも薄い素材だからこそ発生するデメリットも存在します。
(1)サビが発生することがある
金属素材の中でもサビが発生しにくいものの、金属である以上サビを完全には避けられません。
サビが発生しやすい沿岸地域や工場地帯など、周辺環境によってはガルバリウム鋼板を用いるか十分な検討が必要です。
(2)衝撃に弱く凹みやすい
ガルバリウム鋼板は薄いため、外部から衝撃を受けると凹みなどの傷みが発生しやすいデメリットがあります。
施工が難しく設置の際に傷が付くと、傷部分から腐食が進む可能性も考えられる素材です。
そのため、ガルバリウム鋼板を用いる際は、外壁材や屋根材に関する知識がある専門業者に依頼することをおすすめします。
(3)断熱性が低い
薄い金属素材であるため、断熱性が低いという特徴を持っています。
断熱材一体型となっているガルバリウム鋼板もあるので、外壁材や屋根材として用いる際は、製品情報や機能を確認した上で選ぶことがおすすめです。
3. ガルバリウム鋼板のメンテナンスを怠ると?
外壁材・屋根材として使われているガルバリウム鋼板の耐久性の高さやサビにくさを生かすには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
メンテナンスを怠ると、下記のようなトラブルの発生リスクが高まるため注意しましょう。
(1)塗膜が劣化する
ガルバリウム鋼板は塗装することで表面に塗膜を作っています。
メンテナンスを怠ると年数の経過に伴って塗膜の劣化が進み、建物の見た目が悪くなることに加えて、防水性の低下も招きます。
ガルバリウム鋼板は耐用年数の長い素材ですが、長持ちさせるには定期的な塗り直しが必要です。
(2)サビが発生する
塗り直しせずに塗膜の劣化を放置すると、サビが発生しやすくなるため注意が必要です。
サビが広がり外壁材・屋根材の表面だけではなく、建物内部の劣化を引き起こす可能性もあります。
(3)建物全体の劣化を招く
メンテナンスを怠り放置すると、細かな劣化が進み次第に穴や割れ目が発生してしまいます。
雨水が染み込んで雨漏りが起こると建物内部が傷み、結果的に建物全体の劣化を招く原因となるため注意してください。
苔やサビが発生した場合や、塗装面に白い粉が付く「チョーキング」と呼ばれる塗膜の劣化が見られた場合はメンテナンスを検討しましょう。
外壁のつなぎ目に用いられるシーリングが劣化している場合も、メンテナンスが必要なタイミングです。
4. ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法
ガルバリウム鋼板は定期的にメンテナンスを実施することで、経年劣化によって発生する傷みを抑えられます。
建物全体に広がる劣化軽減にもつなげられるため、以下で紹介する適切なメンテナンス方法を把握しておきましょう。
4-1. 定期的な洗浄
外壁材・屋根材の洗浄は、素材の表面に付いた汚れや塵を落とすのが目的です。
汚れ・塵を放置すると雨水がスムーズに流れにくくなり、サビが発生しやすくなります。
そのため、定期的に水で洗い流して洗浄するのがおすすめです。
特に普段雨水があたりにくく汚れがたまりやすい部分は、定期的な洗浄をすると建物をきれいに保ちやすくなります。
洗浄の際は、高圧洗浄機は使用しないように注意しましょう。水圧が強く素材表面の傷みを招く可能性があります。
塗膜のはがれや傷を発生させないよう、強い力で洗浄しないことがポイントです。
4-2. 定期的な塗装の塗り替え
塗り替えによる定期的なメンテナンスをすることで、素材の保護が可能です。
外壁材・屋根材の塗膜にはがれがあったり、耐用年数が近づいてきたりした際は特に塗り替えが必要なタイミングと考えてください。
建物の外観をきれいに保つだけではなく、防水性も高めて腐食の進行を抑えられます。
一般的にガルバリウム鋼板を塗り替える目安は、10〜15年と言われます。
ただし、建物周囲の環境により適切なメンテナンス周期が異なる点には注意が必要です。
苔やサビ、色あせがないかなどの劣化状況も確認しつつ、場合によっては業者に点検を依頼し、塗り替えメンテナンスが必要か判断しましょう。
4-3. 張り替え・重ね張り
補修が難しいほど劣化が進んでいる、もしくは耐用年数が近づいているガルバリウム鋼板は、下記に挙げる張り替えや重ね張りと呼ばれるメンテナンスの検討も必要です。
張り替え |
既存の外壁材・屋根材をはがし、新しい素材に張り替える工事です。 |
重ね張り |
「カバー工法」とも呼ばれる方法で、既存の外壁材・屋根材はそのまま、新たな素材を上から重ねて取り付ける工事です。 |
外壁や屋根の現在の状況によって、どちらのメンテナンスを行うのが適切か異なります。
メンテナンスの際は業者に診断してもらい、最適な工事方法を選びましょう。
まとめ
ガルバリウム鋼板は、50年以上の長い歴史を持つ金属鋼板です。
ガルバリウム鋼板には、「軽量で耐震性に優れている」「耐用年数が長い」などのメリットがあります。
一方で、「衝撃に弱く凹みやすい」「断熱性が低い」などがガルバリウム鋼板のデメリットです。
ガルバリウム鋼板を長く使い続けるためには、メンテナンスが欠かせません。
外壁や屋根にガルバリウム鋼板を使用している場合は、定期的な洗浄や塗装の塗り替えを実施して、ガルバリウム鋼板を長持ちさせましょう。
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