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屋根の葺き替え工事って何?費用の目安やスケジュールを徹底解説します
2024年10月2日更新 2024年10月2日公開
屋根の劣化が気になっているものの、葺き替え工事が本当に必要なのか判断が難しいですよね。
葺き替え工事とは屋根全体を交換する作業のことです。
大規模かつ費用の負担も大きいことから、慎重になる人も少なくありません。
ですが、工事を先送りにしてしまうと水漏れのリスクや耐震性の低下といったリスクが高くなってしまいます。
そこで今回の記事では、屋根の葺き替え工事の基礎知識や注意点について、詳しくご説明いたします。
屋根の葺き替え工事とは
屋根の葺き替え工事とは屋根材のすべてを交換する作業のことで、屋根のリフォームは、早めの点検や早めのリフォームで修繕すべきところが分かった場合は、屋根の塗装で済む場合もあります。
ですが、屋根材を剥がした際に下にある野地板や防水シートが傷んでいる場合は、住宅自体に雨漏りを起こす前に、屋根の葺き替え工事で修繕する必要があります。
きちんと点検し、表面に出てこない内側の問題箇所まで補修できるのが、葺き替え工事の利点です。
屋根の葺き替え工事が必要とされるケース
葺き替え工事が必要となるタイミングとして、次の3つケースが挙げられます。
ひび割れや色褪せがある
自然災害や経年劣化の影響で、屋根にひび割れや色あせがある場合です。
ひび割れなどの小さな破損部分であっても、暴風などにより屋根の破片が周囲に飛んでしまうことも少なくありません。
そうなると近隣の人や建物に危険を及ぼしてしまうほか、場合によっては損害賠償を請求されることもあるため早急な対応が必要です。
屋根のひび割れや色あせについては、外壁と違い、目の届かない・見えない部分のことがほとんどです。
屋根の対応年数は外壁とおおよそ同じで20年前後と言われています。
外壁の点検のタイミングで屋根の点検もしてもらうことをおすすめします。
雨漏りする
雨漏りが発生している場合、屋根に穴があいているケースや下地が劣化している可能性があります。
雨漏りは放置してしまうと建物内部にまでダメージを広げかねません。
劣化が他の箇所まで進んだ結果、屋根の葺き替え工事だけでは済まなくなることもあり得るでしょう。
耐用年数が過ぎている
屋根材の種類によって異なるものの、多くの住宅に使われているスレート屋根の場合、耐用年数は約20~30年です。
たとえ劣化の症状がなくても、今後何かしらのトラブルが出てくることも大いに考えられます。
特に定期的な点検やメンテナンスをしていない場合には、なるべく早い段階で工事業者に屋根の状況を確認してもらうようにしましょう。
屋根の葺き替え工事のメリット
屋根の葺き替え工事をするメリットは、主に次の3つです。
屋根材の寿命が長くなる
屋根材を新しくすることで屋根材の寿命が延びます。
家を守る機能の役割を担っている屋根を一新できるため、結果的に家自体の寿命も長くなるでしょう。
外観を一新できる
屋根は建物の大部分を占めるため、新しい屋根材に変えれば印象を大きく変えられます。
希望のイメージに合わせて屋根材の種類を変えるとよいでしょう。
屋根材によっては耐震性が高まる
既存の屋根材よりも軽い素材にすることで、基礎部分や柱にかかる負担を軽減できることから、耐震性の向上が期待できます。
特に瓦のような重い屋根材は、地震の際に瓦のズレや落下が起こりやすいのが難点です。
地震に強い家にするためにもスレートやガルバリウムといった、軽量の屋根材を選ぶとよいでしょう。
屋根の葺き替え工事のデメリット
屋根の葺き替え工事にはメリットがある一方で、デメリットもあります。
工事にかかる費用が高い
屋根材をすべて交換するため材料費や作業費が高くなります。
さらに、解体した屋根材や下地などを処分する費用も発生することから、屋根の塗装などのリフォームなどに比べるとコストがかかってしまうでしょう。
工期が長いため生活に支障が出る
一般的に葺き替え工事は1~2週間の工期を要します。
その間は足場の設置の影響で日が入りにくいほか、作業員の出入りがあるため、生活に影響が出てしまうことが懸念されます。
雨が続けば工期が延長することも考えられるため、工事をする時期を検討するとよいでしょう。
具体的には、雨や風の影響を受けにくい春と秋がおすすめです。
屋根の葺き替えにかかる費用の目安
屋根の葺き替えにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
葺き替える場合は、屋根の下地や防水シートなどの上に屋根材を設置していくので、選ぶ屋根材や、屋根の形状によって価格が変わってきます。
また、古い住宅の場合はアスベストが含まれる屋根材を使用している場合もあり、その際はアスベストの処理代も別途加算されます。
目安は下記の通りです。
内容・項目 | 費用相場(㎡単価) | |
新しい屋根材の施工費 | 日本瓦(和瓦)/洋瓦 | 5,500〜15,000円/㎡ |
スレート (カラーベスト/コロニアル) |
4,000〜8,000円/㎡ | |
ガルバリウム鋼板 | 5,000〜8,000円/㎡ | |
SGL (スーパーガルテクト) |
5,900〜7,800円/㎡ | |
アスファルトシングル | 5,000〜9,000円/㎡ | |
既存屋根の撤去&処分費 | 3,000〜6,000円 | |
下地補修費 | 2,000〜4,000円/㎡ | |
防水シート | 500〜1,500円/㎡ | |
足場費用 | 600〜1,500円/㎡ | |
アスベスト処理費 (※古いスレート屋根の場合) |
+10〜30万円 (※危険度の高いアスベストの場合、処分費がより高額。 事前調査時に、業者に要確認) |
これは一般的な例ですが、屋根の傷み具合やお住まいの地域、選ばれる業者によって価格は変動します。
おおよそ30坪の住宅で120万円~260万円程度が相場でしょう。
屋根の葺き替え工事のスケジュール
葺き替え工事は、次のような流れで行われるのが一般的です。
1. 足場の設置
2. 屋根材を解体して撤去
3. 下地の状況を確認し補強する
4. 野地板・防水シートの設置
5. 新しい屋根材を取り付ける
6. 足場を解体・掃除
それぞれについて解説します。
1.足場の設置
屋根の上は高所作業になるため、基本的に足場が必要となります。
2.屋根材を解体して撤去
足場の設置が完了したら、既存の屋根材を取り外していきます。
この際に、屋根材だけでなく屋根材の下にある防水シートや野地板も撤去するのが一般的です。
3.下地の状況を確認し補強する
下地の状況を確認し、劣化がみられる場合には補強や修繕をする必要があるでしょう。
4.野地板・防水シートの設置
下地の上に野地板、防水シートの順に貼り付けていきます。
野地板は屋根材を支える板であり、屋根の強度を高めるためには欠かせません。
また、野地板に防水シートを張る作業(ルーフィング)をすることで、雨にも強い屋根に仕上げます。
5.新しい屋根材を取り付ける
新しい屋根材を設置していきます。
6.足場を解体・掃除
屋根の点検をし、問題がなければ足場を解体して工事は終了です。
屋根の葺き替えを行う際の注意点
屋根の葺き替え工事は、大規模かつ高額であるため慎重に検討しなくてはなりません。
劣化の状態によっては葺き替え工事ではなく、重ね葺き工事(既存の屋根の上に屋根材を被せる方法・カバー工法ともいう)や塗装工事(塗料で塗り替えをする工法)でも十分なケースがあります。
施工を依頼する予定がある工事業者に屋根の状況を確認してもらったうえで、状況に見合った選択を心がけましょう。
また、どの屋根材を選ぶかも事前に検討しておきたい重要なポイントです。
なぜなら価格重視で屋根材を選んでしまったがゆえに、こまめなメンテナンスが必要となり結果として割高になってしまうケースも少なくありません。
自身のニーズに見合った屋根材がどれなのか、屋根材の特徴を踏まえてデザイン面や費用面など重視するポイントを決めておくことが大切です。
まとめ
屋根の葺き替えについて、詳しく解説いたしました。
屋根材をすべて取り替えるため費用や日数がかかってしまうことが懸念されますが、家の寿命を延ばすためにも必要なメンテナンスとなります。
劣化の進み具合や周辺の状況から、葺き替え工事ではなく部分修理で済むケースも少なくありません。
複数の工事業者に状態をチェックしてもらうほか、工事内容や見積もりを取って比較することをおすすめします。
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